腸内フローラ|消化器内科|福井クリニック 長田区・新長田
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腸内フローラ
人によって腸内の細菌叢は異なります。体に良い働きをする善玉菌が多く生息し、悪玉菌が少ない環境であれば、身体の維持に重要な免疫力を保つことができます。善玉菌の代表例としては、乳酸菌やビフィズス菌があげられます。乳酸菌にはチーズやヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌と、味噌や糠漬けに含まれる植物性乳酸菌があります。特に植物性乳酸菌は酸にとても強く、胃酸に負けずに腸内まで運ばれます。腸内では酸を産生することによって、悪玉菌を減らし、体の免疫システムにプラスの働きをするのです。食生活ではこのようなことを念頭に醗酵食品を多く摂るようにすることが重要です。また、薬剤による治療においても医薬品となっている微生物製剤を使用して理想的な腸内フローラを形成することが可能です。当院では多くの患者さんに腸内フローラ正常化治療を行ないますが、患者さんの満足度はかなり高いです。
冠動脈疾患と腸内フローラ
最近の内科的な話題として、腸内細菌が糖尿病、脂質異常症、悪性腫瘍、精神疾患などと関連していることがわかってきています。また、神戸大学の平田健一教授の報告で、冠動脈疾患患者の腸内フローラにおいてLactobacillales目の細菌が、コントロール群に比べて増加していることが発表されました。Lactobacillales目はチーズなど乳製品に含まれています。またそれに対して、コントロール群に比べて減少していたのが、Bacteroides門の2種類の細菌でした。Bacteroides門の細菌を経口投与することによって、動脈硬化が抑制できるのではないかと注目されています。マウスの実験では証明されていますので、近い将来人においても治療に応用されることになるかもしれません。
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