高脂血症|循環器内科|内科|福井クリニック
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赤牛の焼肉

 高脂血症(脂質異常症)

 脂質異常には、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低HDL血症があります。高脂血症は動脈硬化性疾患の原因になります。ひいては脳梗塞や心筋梗塞など虚血性疾患を惹き起こします。食事性、アルコール性の場合もありますが、多くは体質や遺伝によるものです。特にコレステロールは肝臓で合成されますから、いくら食事を改善しても下がらないことが多いです。治療には主にスタチンと呼ばれる薬剤を用います。肝臓でのコレステロール合成を抑制して悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を効率よく低下させます。また、血管内皮細胞に作用して動脈硬化を改善します。

 脂肪肝

 高脂血症やメタボリック症候群には脂肪肝が合併している場合があります。通常検診では腹部エコー検査で診断されます。放置していると非アルコール性脂肪肝炎から肝硬変、肝臓癌に進展する場合があります。また脂肪肝が長期間続くと胆石症の原因にもなります。検診で脂肪肝を指摘された場合は、食事指導や運動療法と共に、体質を改善する目的で投薬治療を行います。当院では実際の食事の写真をお見せして、どのような食事をすれば良いのか、どういう風に運動をすれば良いのか詳しく丁寧に指導致します。また、最近発売された糖尿病や高脂血症の薬を駆使して積極的な介入を行い、早ければ6ヶ月後には改善が見込めます。正しい医療を受けることが重要なことなのです。脂肪肝については、こちらのリンクもご覧ください。

 食事療法

 最近は、あまり食事療法を偏重することはありません。例えばイカ、タコなどの制限は意味がないと言われています。逆にイカやタコにはタウリンが含まれ、コレステロールを低下させます。卵や肉の制限はある程度有効ですが、全く食べてはいけないわけではありません。炭水化物の取りすぎは、中性脂肪を高くする原因になります。またアルコール摂取が過ぎるとコレステロールや中性脂肪が高くなります。野菜や繊維質を適度に摂って、バランス良い食事を心がけてください。

 

 運動療法

 

 週、3回以上の有酸素運動(ランニング、ウォーキング、水泳)は中性脂肪を下げるのに有効です。ウォーキングはできれば1日平均1万歩を目指しましょう。ランニングや水泳なら30分程度でも有効です。ちなみに院長の私と眼科医の家内は、ここ2年間は週に4日ほど1km程度の水泳をしています。ビデオは2015年6月25日に撮影したものです。

 

 スタチンによる治療

 

 ストロングスタチンは悪玉コレステロールを下げ、動脈硬化を改善し、また大腸癌のリスクを減らす効果があると言われています。この薬が合えば、治療は誠に簡単です。さらに最近はスタチンとエゼチミブの合剤が発売されており、厳重な脂質コントロールが可能になりました。しかし反面、スタチンが合わない体質の方も見受けられます。体調が変化したり、筋肉痛が出たり、顔面などに皮疹がでたりすることがあります。このような場合、コレステロールの腸管からの再取り込みを抑制する薬(エゼチミブ)を代替薬として用います。また、中性脂肪については食事療法が重要ですが、さらにフィブラート系薬剤による介入で改善を期待することができます。

 メタボリックシンドローム

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積が異常に多い状態で、高血圧や高脂血症、糖尿病などの原因であると言われています。そのため、特定健診制度が実施されています。しかし皮肉にもあまり効果は出ず、反対に長引く不況の影響もあって、ファーストフードや高カロリー食を安い値段で外食する風潮が一層進みました。和食、洋食をうまくおりまぜて、バランス良い食事を楽しむようにし、運動の習慣をつけることが大事です。自分自身のために、毎日体組成計にのることからはじめましょう。