冬期の病気|内科|福井クリニック
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 食中毒・感染性胃腸炎(ノロウィルス)

  気温が下がってくると、ノロウィルスによる感染性胃腸炎が大流行する場合があります。とくに2015年から2016年にかけては、変異したノロウィルスによる感染が流行すると危惧されています。新しいタイプのウィルスには免疫を持っている人がほとんどいないからです。

 飲食店での食中毒は生牡蠣による場合と、店の調理担当者がノロウィルスに感染している場合に起こります。不顕性感染といって症状がでない場合があるので、調理担当者が気づかずに仕事をつづけている場合もあります。

  症状は悪寒、激烈な嘔吐、下痢です。食事や水分の摂取がままならず、死亡に至る場合もありますので、最初の症状が一段落したらすぐに医療機関を受診してください。当院は感染症対策に力をいれており、患者さんの手指消毒やドアノブやトイレの消毒もできるようになっています。点滴治療によって、重篤化がさけられます。

ウィルス性胃腸炎の時の食養生

 発症当時には、まず食欲減退や腹部膨満感、倦怠感などが生じます。それから嘔吐や下痢が始まりますが、その間は絶飲食とします。嘔吐、下痢が落ち着いたら医療機関を受診して、点滴治療を受けてください。点滴には1、2時間かかりますので、電話連絡をして早めに受診することをおすすめします。次に水分摂取ができそうな状態になりましたら、ポカリスエットなどのアイソトニックスポーツ飲料や水で水分補給をこまめに行ってください。下痢はしばらく続きますが、トイレには消毒薬を置いて、手指を消毒しましょう。またトイレからでたらお布団の中で安静にしてください。保温も大事です。水分補給が十分できておれば、入浴も可能です。ぬるめのお湯で体をあたためます。

 約1日は絶食する方がよいでしょう。胃腸を空っぽにして胃腸を休ませる方が、早く治ります。食べたくなったら、ゆるいおかゆを試してください。無理に食べる必要はありません。下痢や腹痛が落ち着いてきても、全身倦怠感や微熱などが続くことがあります。安静にしてこまめに水分補給をつづけます。

 体や胃腸が楽になってきたら、卵やネギをくわえたおじや、シンプルなカレーライスをゆっくりと試してください。カレーライスは刺激性のある食べ物とされていますので、胃腸炎では一般におすすめすることはありませんが、私個人としては経験的に消化もよく、スパイスも胃腸にいい効果があると感じています。ただ、油の質が悪いカレーだと悪化するかもしれませんので、選択にはご注意を。

ノロウィルス GII.P17-GII.17について

 神戸市においては2014年や2013年に比べてノロウィルス疑い例は減少しています。しかしながら神戸市でも変異したノロウィルスが2015年1月より確認されています。2015年11月からの冬の時期、このノロウィルス GII.P17-GII.17が流行することが懸念されています。

ノロウィルス の消毒方法

 家庭内でノロウィルス疑いの胃腸炎患者が出ると、またたくまに家族に感染してしまいます。これをふせぐためには、嘔吐物の処理やトイレ、ドアノブなどの消毒方法について熟知しておく必要が有ります。通常のアルコール消毒では防ぐことができないので、塩素系消毒薬を用います。家庭ではキッチンハイターなどを代用します。嘔吐物の処理は大変危険が伴いますので、かならずゴム手袋とマスクを着用して行ってください。なお、当院で使用しているウィル・ステラVは医療用手指消毒薬ですが、ノロウィルス対応です。当院に来院された方にはベストバイコンタクトにてお分けすることができますので、受付でご用命ください。

アニサキス症などの食中毒

アニサキスの内視鏡像

 秋期の病気のページでも記載しましたが、寒い時期にはサバが美味しくなります。しかし、生で食べる際は要注意です。基本的には生で食べてはいけない魚ですが、最近は飲食店で普通に生で供されます。調理が不完全な場合はより危険性が高くなります。サバにはアニサキスがいることを知ることが重要です。

 風邪

 11月から3月頃までが、通常の風邪のシーズンです。風邪というのはひとつの病気ではなくて、風邪症状をきたす疾患の総称です。ですから、正しくは風邪症候群といいます。風邪症状は、最初、鼻水、喉の痛みから始まることが多いです。もっとも外気にさらされる粘膜が最初に症状をあらわします。次に、場合によっては発熱したり、頭痛が生じたりします。次第に上気道の症状が強くなります。すなわち、咳、痰です。10日ほどで症状が軽くなって治癒することが多いです。ただ、扁桃腺炎や中耳炎、気管支炎、肺炎などを併発する場合があるので、薬局で買い薬をするより、内科に受診してください。耳鼻咽喉科にかかる方も多いですが、内科ではその後に起こることについても、フォローができます。

 インフルエンザ

 インフルエンザについては、他のページでも解説しておりますので、合わせてお読みください。インフルエンザの予防で重要なことは、流行する前に予防接種を受けることです。具体的には毎年10月半ばから11月末頃までに受けることをお勧めします。また人混みに出たり、公共交通機関を利用する場合など、感染する確率が高まります。普段からマスクの着用、手洗いを励行しましょう。タバコを吸う人は免疫力が低下しており、またタバコを吸うためにマスクを着用することが不完全になります。喫煙は万病の元ですから、禁煙を考慮してください。

 インフルエンザの症状は、突然の悪寒、発熱、頭痛、震えなどから始まります。これはウィルス血症の症状です。鼻水や咳など気道の症状や、腹痛などの症状を伴うこともあります。発症して数時間後から、医療機関でのインフルエンザ検査キットで診断が可能ですが、24時間以内の場合は陰性の結果になることがあります。このような場合、翌日に再度検査を受けることが懸命です。治療には抗インフルエンザ薬を使用します。これは内科や小児科などで処方いたします。治療によって速やかに症状が改善することが多いです。ご老人や病気を持っておられる方に感染すると、死亡につながることもある病気ですから、熱発があれば医療機関を受診してください。

 今シーズンのインフルエンザの臨床的特徴

 今シーズン、2月15日現在流行のピークを迎えています。いままでみた患者さんの特徴は比較的風邪症状に近く、軽症例が目立つことです。インフルキットによるウィルスの分類では、A型が多く、B型が少しあります。また、中には40度を超える高熱をあらわす重症患者さんも見受けられますが、この型はA型でした。2009年の新型インフルエンザH1N1流行時に免疫を得られなかった方であろうと考えております。胸部レントゲンのチェックを合わせて行いました。インフルキットでH1N1はA型に分類されます。なお、タミフル耐性ウィルスが存在しますので、薬剤の選択には注意しております。