高血圧症|循環器内科|内科|福井クリニック
078-612-0101

デジタル血圧計

 高血圧症の疫学

 日本の高血圧者数は約4,300万人と推定されています。高血圧は脳卒中や心疾患リスクを上昇させることが知られています。死亡原因のなかでは、タバコについで2番目に高い原因です。ですから高血圧を予防したり、高血圧症を治療したりすることは禁煙に次いで重要なことです。至適血圧は、収縮期血圧が120mmHg未満かつ拡張期血圧が80mmHg未満であるものを言います。これを超えて高くなればあるほど、死亡リスクが高まります。高血圧による死亡者数は年間約10万人と推定されています。我が国で血圧水準が高いのは、塩分摂取量と関連があると言われています。ですから、塩分を控えることは直接、死亡原因を減らすことにつながります。また日本人は果物の摂取が世界的にみて、少ないと言われております。積極的に野菜や果物を摂ることで血圧を低下させることができるはずです。

 メタボリックシンドローム

 近年、高血圧者の特徴として男性では肥満を伴う人が増えています。メタボリックシンドロームから高血圧症になる人が増加していると考えられます。このため我が国では特定健診が導入され、高血圧症予備軍を生活指導によって改善させる方法が導入されました。ただ、この方法がうまく機能しているかどうか、疑問が残ります。

 

 血圧の測定方法

 

 診察室では、安静座位で1、2分の間隔をあけて複数回測定することが必要です。自動血圧計の使用も認められています。家庭血圧は上腕カフ血圧計を用いて原則2回測定し、その平均値を血圧値とします。血圧の基準は、診察室血圧は140/90mmHg以上、家庭血圧値は130/80mmHg以上の場合に高血圧症として対処することになります。

 

 診療の実際

 

 以上のことは、2014年の高血圧診療ガイドラインに書かれています。診療において、ガイドラインを遵守することが重要です。高血圧症の診断、治療は医者によって異なるものではなくて、客観的なものです。しっかりした循環器内科医をかかりつけ医にもつことが大事です。当院の医師はレントゲン、心電図、心エコー、脈波検査、頚動脈エコーなどの経験が豊富で、毎日学習を重ねています。これらの検査を定期的に受けることをお勧めします。また、薬剤の知識がいくらたくさんあっても、現在はジェネリックを含め膨大な種類の薬がありますので、完全に覚えることは不可能です。ですから、当院ではデータベースを活用して、薬剤について処方時に必ず確認しながら処方をします。

 血圧の治療は患者さんから見れば簡単そうに見えるかもしれません。中には専門外の整形外科や外科診療所で薬を出してもらっている方もあるとおもいます。しかし、血圧の薬は何種類にも分類され、たくさんの薬剤から患者さんにあった処方を行うのは容易ではありません。また、季節や仕事の内容などの変化によって血圧は変動しますから、きちんと管理する必要があります。不十分な治療では脳梗塞や心筋梗塞を予防できません。また薬の選択によって、痛風が悪化したり、糖尿病や高脂血症が悪化したりする場合もありますので、しっかりした薬学の知識が必要です。このように豊富な知識と経験を要求されるのが高血圧の処方です。

 「餅は餅屋」です。高血圧症の治療は、当院におまかせください。