ABC検診と胃カメラ
078-612-0101

胃潰瘍

ABC検診について

 ABC検診とは日本胃がん予知・診断・治療研究機構が提唱する血液検査による胃がんリスク評価検診のことです。血液検査でヘリコバクターピロリ抗体とペプシノーゲン値を測定します。これによって、ピロリ菌に現在感染しているかどうかと、慢性胃炎の進行の程度が推測されます。検査料は自費となり保険は適応されませんが、採血だけで判定しますので、患者さんにとって非常にハードルの低い検診といえます。バリウムを飲んで上部消化管透視を受けるのがいやで、検診を受けないよりは、簡単ですからABC検診を受けてみましょう。バリウムによる上部消化管透視で検診を受けた場合でも、ABC検診を受けるメリットはあります。それほど内視鏡医にとってABC検診のデータは診断に有用なのです。当院には昨年からすでに67名(平成27年9月11日現在)受診されました。

  リスクが低い方は胃がん検診のために内視鏡検査を受ける必要がありません。ただ、この検診は上部消化管透視による検診を受診している方が追加で受けられると、その他の病気も除外できるので、より確実です。胃の病気は胃潰瘍や胃炎、胃がんだけではなくて、胃粘膜下腫瘍や悪性リンパ腫など頻度が少ない病気が存在します。

 当院のABC検診料金は、4,630円(税込)です。予約不要ですので、診察終了30分前までに受付にお越し下さい。

ABC分類表

ABC分類と胃がん発生リスク
  A B C D
ピロリ菌抗体 陰性 陽性 陽性 陰性
ペプシノーゲン値 陰性 陰性 陽性 陽性
リスク
胃がん発生頻度 ほぼ0 1/1000 1/400 1/80
胃カメラの頻度 不要 3年ごと 2年ごと 毎年

ピロリ菌検査から胃カメラ、そして除菌

 ABC検診を受けると、ピロリ菌検査が含まれていますので、ピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。B群かC群と判定された場合、ピロリ菌に感染しているということになります。この結果を踏まえて、保険診療で内視鏡検査を受けてください。ピロリ菌は1週間の内服治療で除菌することができますが、保険適応の条件として内視鏡検査(胃カメラ)が必須になります。ピロリ菌に感染していると慢性胃炎の状態になっていることが内視鏡所見で確認できます。補助的に組織を生検して病理診断します。この手順で「慢性胃炎」の診断がつけば除菌療法が保険適応となります。除菌療法の成功率は7、8割ですが、薬の選択次第で効果をあげることが可能です。また除菌に失敗しても再除菌すればほとんどの例で除菌が成功します。

 ABC検診を受けるメリットとして、慢性胃炎の除菌後の判定がやりやすいこともあげられます。もっとも簡単な感染診断はヘリコバクター・ピロリ抗体を採血で判定することですが、除菌前のデータがあると、除菌後も採血のみで判定できます。除菌後もヘリコバクター・ピロリ抗体は陽性となることがありますが、除菌前後の抗体価を比較すれば、除菌が成功したかどうかを判定できます。除菌前のデータがない場合、陽性であれば除菌失敗と判定するしかありません。

なぜ除菌するべきなのでしょう?

 ピロリ菌は胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどの病気の原因ですが、除菌すれば潰瘍になりにくくなり、また胃がんになる確率を減らすことができます。ただし、胃がんにならないわけではありませんから、除菌後も定期的に胃カメラによるフォローアップを受けてください。20歳〜30歳くらいの若い方は除菌すれば胃がんになる確率は相当減らすことができますので、若い方ほどABC検診を受診してほしいと願っています。

こんな病気も診ています アニサキス食中毒

胃アニサキス症の内視鏡画像

 神戸は海に面しているので、アニサキス症の患者さんをよくみます。アニサキスは主にサバに寄生しています。生で握った鮨を食べたり、十分酢でしめられていないキズシを食べた後、ひどい腹痛で発症します。お店で食べたものが原因の場合は食中毒の扱いになります。診断と治療は、緊急内視鏡を施行して、生検鉗子でアニサキスをつまみだします。これだけで腹痛はうそのように収まるので患者さんにとても感謝されます。写真はサバの生寿司を食べた方の内視鏡像です。白くて細長い虫体が胃粘膜に半分もぐりこんでいます。これよりずっと小さい十分の一くらいの虫体を見つけた経験もあります。

少ない待ち時間

 当院は独自の電子カルテシステムを使った効率的な診療をしていますので、待ち時間はほとんどありません。ABC検診に要する時間は10分程度です。あらかじめ絶食にする必要もありません。お気軽に受診してください。